声に対する治療

« 声に対する治療TOPに戻る

声を酷使する人たちに対する薬物治療

「一般的治療」でご紹介したように、ステロイドは吸入で使う場合が多く、この場合はほとんど副作用は起こらないのですが、 内服や注射の場合は、副作用が出る確率が高くなります。短期間の使用にとどめ、医師が細心の注意を払って投与するという条件で、 ステロイド投与が選択肢の一つとなるわけです。

ステロイド剤投与について
投与に関する本人の条件として

●骨の発達する年齢でないこと
●糖尿病、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの既往がないこと
●薬に依存する性格ではなく、連続して何回も続けることができない治療法であることを理解できる人
●女性の場合は妊娠していないこと、また生理の周期が一時的に狂っても支障がないこと

投与に対する医師の判断基準

他の方法では、本人の希望する日時までに声を改善させることが極めて困難だと判断されるとき 副作用を説明し、患者の同意が得られること 副作用を未然に防ぐため、胃薬などの併用薬を使用すること があげられます。

ステロイドの副作用

多岐にわたるため、詳しくは成書に譲りますが、日常診療にて頻度が高いものとして重要なものをご紹介します。 (私の経験をもとにまとめています)

●胃が痛む(胃炎を起こすことがあります)
●生理が狂う
●顔などが一時的にむくむ
●にきびができる
●不眠となる

下記の内容は耳鼻咽喉科でのステロイド投与においてはまれなものです

●体重増加(ひどくなるとムーンフェイスといって満月のような顔になります)
●骨がもろく、骨折しやすくなる
●風邪などに感染しやすくなる

これらの副作用を理解していただき、極力、無理な注文を医師にしないことも大事です。 医師は、常に一日でも早く患者さんに良くなっていただきたいと願っています。歌手などで、本番を控えている方には一緒になって心配するものです。 歌手の方では、一度キャンセルすると、二度とお呼びがかからないかもしれないといった「せっぱつまった」状況に追い込まれている方も多いです。 オーディションの結果で人生が左右される方もいるでしょう。しかし、ステロイドに依存して体を壊してはどうしようもありません。どうしようも無い ときに単発で治療することは仕方ないにしても長期連続使用や、常用使用は出来ないものと理解していただきたいと思います。 ステロイド治療に頼らなくて良いように、日ごろから体調管理や、無理な練習、公演日程にならないような努力も患者さんにとって必要なことです。

» ステロイド剤投与について